一人暮らしの部屋をおしゃれにしたくても、家具やインテリアにお金をかける余裕はなかなかありません。就職や進学で暮らしを始めたばかりだと、家具や家電をひととおりそろえるだけで予算は尽きてしまい、飾りにまで手が回らないのが実情です。あれこれ買いそろえても、まとまりがないと逆にごちゃついて見えて、お金をかけたのに垢抜けないという結果にもなりがちです。
とはいえ、どうすればお金をかけずに部屋が整うのか、迷う方は少なくありません。おしゃれな部屋は高い家具で決まると思われがちですが、実際に効いているのは色の数や家具の雰囲気のそろえ方といった、お金のかからない部分です。ここを押さえておくと、手持ちのものと数百円の小物だけでも、部屋の印象はぐっと変わります。
この記事では、安くおしゃれにするコツから、低予算で使えるアイテム、生活感を抑える工夫、賃貸での注意点までをまとめました。買い足す前にできる工夫を中心に紹介するので、限られた予算で部屋を整える参考にしてください。
部屋を安くおしゃれにするコツ
部屋の印象は、お金をかけなくても工夫で整えられます。まずは基本のコツを知っておくと、まとまりのある部屋になります。ここでは、安くおしゃれにするコツを見ていきます。
色を3色までにまとめる
部屋で使う色を3色までに絞ると、全体がまとまって見えます。床や壁のベースカラー、ソファやベッドなど大きな家具のメインカラー、クッションや小物のアクセントカラーの3つに役割を分けて考えると決めやすくなります。色数が多いほどおしゃれに見えそうですが、実際は逆で、色を増やすほど視線があちこちに散って落ち着かない部屋になります。
配分の目安は、ベースを7割、メインを2割、アクセントを1割くらいにすると、まとまりながらも単調にならずに済みます。賃貸は床や壁の色を変えられないぶん、そのベースカラーを起点に家具の色を選ぶと失敗しません。たとえば白っぽい壁ならメインをグレーやベージュにし、アクセントに一色だけ濃い色を足す、という組み立て方です。まずは今ある家具の色を数えてみて、4色以上あるなら小物の色から3色以内に寄せてみてください。
家具のテイストをそろえる
家具のテイストをそろえると、部屋に統一感が生まれます。木目調でそろえるのか、白やグレーで無機質にまとめるのか、方向性を先に一つ決めておくと、買い足すときの判断がぶれません。ばらばらのテイストが混ざると、一つひとつは良くても並べたときにまとまりがなく見え、安っぽい印象につながります。
とはいえ、すでに持っている家具を買い替えるのは予算的に難しいものです。その場合は、木目の色味や素材感が近いもの同士を近くに置き、浮いている家具はカバーや布で色をそろえるだけでも印象は整います。これから買うなら、価格の手ごろな組み立て家具は同じシリーズや同じ色で統一すると、テイストを合わせやすくなります。手持ちの家具の色と素材を見渡して、いちばん数の多いテイストに寄せていくと、買い足しの費用を抑えながらそろえられます。
照明で部屋の印象を変える
照明の色を変えるだけでも、部屋の印象は大きく変わります。同じ部屋でも、白っぽい昼白色の光は活動的で事務的な雰囲気になり、オレンジがかった電球色の光はくつろいだ落ち着いた雰囲気になります。おしゃれなカフェやホテルの多くが電球色を使っているのは、この色の効果を見込んでのことです。電球やLEDを買い替えるだけなので、費用も数百円から千円程度で済みます。
さらに印象を変えたいなら、天井の照明だけに頼らず、小さな間接照明を一つ足すと部屋に奥行きが出ます。フロアランプやクリップライトを部屋の隅や壁際に置いて光を当てると、影ができて空間が立体的に見えます。夜は天井の照明を消して間接照明だけにすると、生活感が消えて一気に雰囲気が変わります。まずは今使っている電球の色を確かめて、電球色に替えるところから試してみてください。
家具の選び方や予算の目安は、こちらの記事で詳しく紹介しています。
https://living-alone-life.com/kagu/
低予算で使えるアイテム
大きな家具を買い替えなくても、小さなアイテムで部屋の印象は変えられます。低予算でも取り入れやすいものがあります。ここでは、使えるアイテムを見ていきます。
ファブリックで手軽に模様替えする
クッションカバーやラグ、ベッドカバーなどのファブリックは、手軽に部屋の印象を変えられる代表的なアイテムです。面積が大きいものほど部屋の色の印象を左右するので、ラグやベッドカバーを一枚替えるだけでも空間の雰囲気ががらりと変わります。家具そのものを買い替えるより費用がずっと軽く済むのが利点です。
とくにクッションカバーは、中身をそのままに外側だけ替えられるので、季節や気分に合わせて模様替えしやすいアイテムです。夏は麻のような涼しげな素材、冬は起毛のあたたかい素材にすると、色だけでなく季節感まで出せます。先に決めた3色のなかから、アクセントカラーをファブリックで足すと部屋が引き締まります。まずはいちばん目につくクッションやラグの色を、部屋のテーマカラーに合わせて替えてみてください。
観葉植物で彩りを足す
観葉植物を置くと、部屋に彩りと生きた印象が加わります。家具や小物が直線的で無機質になりがちな部屋も、緑の葉のやわらかい形が入るだけで空気がゆるみ、殺風景さが消えます。花と違って咲き替わりを気にせず一年を通して飾れるのも、手をかけたくない一人暮らしに向いています。
世話の負担が心配なら、乾燥や日陰に強い品種を選ぶと失敗しにくくなります。パキラやサンスベリア、ポトスといった品種は、水やりの間隔が空いても枯れにくく、初めてでも扱いやすいものです。日当たりの悪い部屋なら、耐陰性のある品種を選ぶか、フェイクグリーンで代用する手もあります。まずは手のひらサイズの小さな鉢を一つ、机の上や棚の端に置くところから始めてみてください。
ポスターや布で壁を飾る
殺風景な壁は、ポスターや布を飾ると印象が変わります。壁は部屋のなかで面積が大きいぶん、何もないと寂しく見えやすい場所です。好きな絵柄やアートを一枚飾るだけで、そこが視線の集まる見せ場になり、部屋に個性と居心地のよさが生まれます。
費用をかけずにそろえたいなら、雑貨店の安価なポスターや、余ったファブリック、お気に入りの布を額やタペストリー風に飾るだけでも十分に雰囲気を出せます。飾る位置は、目線の高さを基準にすると収まりよく見えます。ばらばらに貼るより、壁の一面に的を絞って飾るほうがまとまり、ごちゃつきません。貼るときは、次に触れる原状回復を意識して、はがせる材料を選んでおくと安心です。まずは何もない壁を一面選んで、そこにアクセントを一つ加えてみてください。
生活感を抑える工夫
おしゃれに見せるには、生活感を抑えることも大切です。ちょっとした工夫で、すっきりした印象になります。ここでは、生活感を抑える工夫を見ていきます。
配線やコード類を隠す
床や壁に這うコード類は、生活感が出やすい部分です。テレビやパソコン、スマホの充電まわりは配線が集まりやすく、黒いケーブルが何本も床に垂れているだけで、せっかく整えた部屋がごちゃついて見えてしまいます。逆にここを隠すだけで、同じ部屋でもぐっと片づいた印象になります。
まとめ方はいくつかあります。デスク下やテレビ裏の配線は、ケーブルボックスに電源タップごと収めると、束ねたコードを箱の中に隠せます。壁に沿わせるコードは、配線モールや結束バンドでまとめてから、家具の裏や幅木沿いに寄せると目立ちません。掃除機をかけるときにコードを踏まずに済むので、ほこりもたまりにくくなります。まずはいちばん目につくテレビまわりか机の下から、コードをひとまとめにしてみてください。
収納で物を見せない
出しっぱなしの物が多いと、生活感が強く出ます。リモコンや充電器、書類やこまごました日用品が机や床に散らばっていると、それだけで雑然として見えます。逆に、こうした物を見せない収納にしまうだけで、部屋は片づいた印象に変わります。おしゃれな部屋は物が少ないというより、物の居場所が決まっている部屋です。
コツは、よく使う物ほど定位置を決めておくことです。定位置がないと、使ったあとにとりあえず出しっぱなしになり、また散らかります。箱やかごを使って「ここに戻す」と決めておけば、片づけに迷いません。収納家具を増やせないなら、扉付きの棚や引き出しの空きを使って、見える場所から物を移すだけでも効果があります。まずは机の上やテレビ台の上といった、目につく水平面から物をなくしてみてください。
見せる収納と隠す収納を使い分ける
生活感を抑えるには、見せる収納と隠す収納を使い分けます。すべてを隠してしまうと片づいてはいても味気なく、逆にすべてを見せると雑然とします。お気に入りの本や雑貨、そろいのマグカップなど、見せて絵になる物は棚に並べて飾り、生活感の出る日用品やストック品は扉付きの収納にしまう、という線引きをすると、すっきりしながらもおしゃれに見えます。
見せる収納をきれいに保つコツは、色や高さをそろえて並べることです。同じ色でまとめたり、背の高い順に並べたりするだけで、雑貨が飾りとして成立します。反対に、パッケージの色が派手な日用品や食品ストックは、生活感が強く出るので隠す側に回します。今ある棚を見て、来客に見せたくない物が表に出ていないかを確かめ、見せる物と隠す物を仕分けてみてください。
おしゃれにするときの注意
部屋を飾るときには、いくつか気をつけたい点があります。ここを押さえると、失敗や余分な出費を防げます。ここでは、注意点を見ていきます。
物を増やしすぎない
おしゃれにしようと物を増やしすぎると、かえってごちゃついて見えます。雑貨や小物を買い足すほど部屋は華やかになりそうですが、飾りが増えるほど視線が散り、まとまりがなくなります。物が多いと掃除やほこり取りの手間も増え、片づけが追いつかずに散らかる原因にもなります。おしゃれな部屋ほど、実は余白がしっかり残されています。
飾るものを絞ると、一つひとつが引き立ちます。棚や机の上は、面積の3割ほどを空けておくくらいの気持ちで物を置くと、置いた物が主役として映えます。買い足す前に「今ある物のどれと入れ替えるか」を考える癖をつけると、物がむやみに増えません。すでに置きすぎている場合は、まず飾りを半分に減らして、余白がどれだけ効くかを試してみてください。
賃貸で原状回復できる方法を選ぶ
賃貸では、退去時に部屋を元の状態に戻す原状回復の義務があります。壁に釘やネジで穴を開けたり、強力な両面テープではがせなくなったり、塗料で色を変えたりすると、退去時に修繕費を請求されることがあります。おしゃれにしようとした工夫が、かえって思わぬ出費につながっては本末転倒です。飾る前に、あとで元に戻せるかどうかを確かめておきましょう。
跡を残さずに飾るなら、貼ってはがせるタイプのフックやウォールシール、突っ張り棒を使うと安心です。ポスターは画鋲より、はがせる粘着材やマスキングテープを下地にして貼ると壁を傷めません。壁紙を変えたいときも、上から貼ってはがせるタイプの壁紙シートを選べば原状回復できます。心配なら、契約書の原状回復の条件を一度読み返しておくと、どこまでやってよいかの線引きがはっきりします。跡が残らない方法を選んで、退去時の負担なく部屋を飾ってみてください。
まとめ
一人暮らしの部屋は、色を3色までにまとめ、家具のテイストをそろえ、照明を工夫するだけでおしゃれに見えます。ファブリックや観葉植物、ポスターなど低予算のアイテムでも印象を変えられます。
配線を隠し、物を収納にしまって生活感を抑えると、すっきりした部屋になります。見せる収納と隠す収納を使い分け、物を増やしすぎず、賃貸では原状回復できる方法を選びましょう。まずは使う色を3色に絞るところから始めてみてください。


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