一人暮らしの物件の防犯チェック|内見で見る点

防犯・安全

一人暮らしの部屋選びでは、家賃や間取り、駅からの近さに目が向きがちで、防犯面はどうしても後回しになりやすいものです。しかし住み始めてから郵便受けをのぞかれたり、階段で人とすれ違うのが怖かったりと防犯の弱さに気づいても、家賃や引っ越し費用を考えると簡単には移れません。

とはいえ、物件のどこを見れば防犯性が分かるのかは、知らないまま内見に行っても判断できません。防犯性の高い物件に共通する条件と、内見で自分の目で確かめるポイントを先に押さえておくと、限られた内見の時間でも安心して住める部屋かどうかを見分けられます。

この記事では、防犯性の高い物件の条件から、内見で確認するポイント、周辺環境の安全性、入居後にできる対策までをまとめました。とくに女性やはじめての一人暮らしで不安のある方が、安心して住める物件を選ぶ手がかりとしてお使いください。

防犯性の高い物件の条件

まずは、防犯性の高い物件に共通する条件を知っておきます。条件を先に押さえておくと、たくさんの候補のなかから絞り込みやすくなります。ここでは、間取り図や物件情報の段階でも見分けられる物件の条件を見ていきます。

オートロックがあると入りにくくなる

オートロックのある物件は、住人以外が建物内に入りにくくなります。共用の入口が施錠されるため、部外者は用がなければエントランスから先へ進めず、不審者の侵入を玄関の前でもう一段階止められます。侵入をねらう相手は人目や手間を嫌うので、入口にひとつ関門があるだけでも抑止の効果が働きます。

ただしオートロックは万能ではなく、住人が入るときに後ろからついて入る「共連れ」で突破されることがあります。設備があるからと油断せず、宅配や訪問を装った相手を安易に開けないといった自分の使い方もあわせて必要です。内見のときは、入口の施錠がきちんと動くか、来訪者を室内のモニターで確認できるかまで見ておきましょう。安心を重視する方は、オートロックのある物件を候補の上位に入れてみてください。

2階以上は侵入されにくい

2階以上の部屋は、1階に比べて侵入されにくい傾向があります。外の道や隣家から窓やベランダに直接手が届きにくく、室内も通行人から見えにくいため、外から様子をうかがったり乗り越えて入ったりするハードルが上がります。1階は出入りが楽な反面、防犯の面では弱くなりやすい階です。

とくに女性の一人暮らしでは、階数そのものが日々の安心につながります。洗濯物やカーテン越しの生活の気配で、性別や在宅状況を推し量られる不安も減らせます。ただし2階以上でも、隣の建物の屋根や外階段、雨どいをつたって上がれる間取りは油断できません。防犯を重視するなら2階以上を基本にしつつ、ベランダの外側に足がかりがないかまで内見で確かめてみてください。

管理が行き届いた物件は狙われにくい

共用部分が清掃され、管理が行き届いた物件は狙われにくくなります。きれいに保たれた建物は、住人や管理会社の目がふだんから行き届いている表れで、見慣れない人が入ればすぐ気づかれる空気があるからです。侵入をねらう相手は、こうした「見られている」物件を避ける傾向があります。

反対に、ゴミ置き場が散らかっていたり、廊下に私物やチラシが放置されていたりする物件は、防犯面でも不安が残ります。掲示板の情報が古いままの建物も、管理の手がまわっていないサインです。内見のときは部屋の中だけでなく、エントランスや郵便受け、ゴミ置き場の状態まで見て、管理が生きている物件かどうかを判断してみてください。

一人暮らしの防犯対策と防犯グッズの選び方
一人暮らしの部屋で防犯面が不安な方へ。お金をかけずに始められる日常の防犯習慣から、留守中や訪問者への対策、そろえておきたい防犯グッズの選び方までをまとめました。今日から始める防犯の手がかりとしてお使いください。

内見で確認する防犯のポイント

物件の条件に加えて、内見のときに現地でしか分からない防犯面を確認します。図面や写真では読み取れない部分を自分の目で見ておくと、住んでからの安心につながります。ここでは、内見で必ず確認しておきたいポイントを見ていきます。

玄関の鍵の種類を確認する

玄関の鍵は、部屋の防犯性を大きく左右する部分です。表面に細かいくぼみのあるディンプルキーは、鍵の内部構造が複雑でピッキングに強く、防犯性が高いとされます。内見では、渡される鍵がこのタイプか、それとも古い形の鍵かをまず見ておきます。

昔ながらのギザギザした形の鍵は、道具を使えば短時間で開けられてしまうことがあります。侵入は時間がかかるほど諦められやすいと言われるため、鍵の強さはそのまま抑止力につながります。玄関の鍵が一つだけか、二つ付いているかもあわせて確認しておきましょう。防犯性の低い鍵しかない物件でも、後述する補助錠で補える場合があるので、鍵の種類は入居前に把握しておいてください。

窓の位置と施錠を確認する

窓の位置や施錠の仕組みも、内見で必ず確認します。侵入の手口では玄関よりも窓が使われることが多く、人目につきにくい場所にある窓や、施錠が甘い窓は狙われやすい入口になります。とくに1階や、外廊下・ベランダに面した窓は、道や共用部から近いぶん注意が要ります。

内見では、窓にクレセント錠だけでなく補助錠が付いているか、面格子があるかまで見ておきます。すりガラスや防犯フィルムの有無も確認できると安心です。加えて、窓を開けたときに向かいの建物や通路から室内が丸見えにならないかも大切な視点です。窓の位置と施錠を確かめて、外から入りにくく、のぞかれにくい部屋かどうかを判断してみてください。

共用部分の見通しを確認する

エントランスや廊下、階段、駐輪場といった共用部分の見通しも確認します。死角の多い建物は、不審者が身をひそめやすく、あとをつけられたときにも逃げ場が分かりにくくなります。夜間に照明が点くか、暗がりになる場所がないかも、見通しを左右する要素です。

明るく、どこからでも人の姿が見える共用部分は、それだけで防犯面の安心につながります。内見のときは、部屋までの動線を実際に歩いて、玄関前や階段の踊り場に人が隠れられる死角がないかを確かめます。駐輪場が建物の裏手の暗い場所にある場合は、帰宅時の不安も見込んでおきます。共用部分の見通しを確認して、日々の出入りが安全にできる建物かを見ておきましょう。

周辺環境の安全性を確認する

物件そのものだけでなく、部屋の外に出てからの周辺環境の安全性も確認します。どれだけ部屋の防犯が整っていても、家までの道のりに不安があれば安心して暮らせません。ここでは、内見のついでに確かめたい周辺環境のポイントを見ていきます。

夜道の明るさを確認する

帰宅が夜になることが多いなら、駅や停留所から物件までの夜道の明るさを確認します。街灯が少なく暗い道は、夜間の帰宅時に不安を感じるだけでなく、あとをつけられても気づきにくくなります。昼間の内見では明るく見えた道が、夜はまったく違う印象になることも珍しくありません。

可能なら、内見とは別に夜の時間帯に一度、駅から物件までの道を実際に歩いてみます。街灯の間隔、人けの少なさ、遠回りせずに帰れるかを自分の足で確かめると、住んでからの毎日が想像しやすくなります。深夜に帰る生活なら、コンビニの明かりが続く道を選べるかも判断材料になります。夜道の明るさを確かめて、安全に帰宅できる立地かを見ておきましょう。

人通りと近隣の様子を確認する

周辺の人通りや近隣の様子も、その土地の安全性をはかる目安になります。適度に人の行き来があり、落ち着いた雰囲気の環境だと、何かあっても人の目が働き、安心して暮らせます。逆に、昼でも人けがなく閑散としている場所は、トラブルが起きても気づかれにくくなります。

同じ場所でも、昼と夜、平日と休日で雰囲気が大きく変わることがあります。昼の内見だけで決めず、時間帯を変えて見ておくと確実です。近くに人の集まりにくい空き地や、荒れた建物、深夜に騒がしくなる店がないかもあわせて見ておきます。近隣の様子を自分の目で確認して、日々を安心して過ごせる環境かどうかを判断してみてください。

近くに人目のある場所があるか確認する

物件の周辺に、夜でも人目のある場所があるかも確認します。交番やコンビニ、24時間営業の店が近くにあると、遅い時間でも人の目や明かりが絶えず、犯罪の抑止につながります。帰り道の途中に立ち寄れる明るい場所があると、それだけで心強く感じられます。

反対に、人通りのない暗い一角や、街灯の切れた路地が家の前に続いていると、トラブルが起きても気づかれにくくなります。万一のとき駆け込める場所が近いかどうかは、女性の一人暮らしでは大きな安心材料です。内見のときに、最寄りの交番やコンビニまでの距離と道のりを地図と実際の目で確かめておきます。周辺に人目のある場所があるかを見て、安心して暮らせる立地かを判断してみてください。

入居後にできる防犯対策

防犯性の高い物件を選んだあとも、入居してから自分でできる対策があります。設備に頼りきりにせず、自分でひと手間を加えておくと、備えはさらに厚くなります。ここでは、賃貸でも取り入れやすい入居後の対策を見ていきます。

補助錠を取り付ける

玄関や窓に補助錠を取り付けると、もとの鍵に加えてもう一つ鍵をかけられます。鍵が二つあると、開けるのに手間と時間がかかるため、侵入は時間がかかるほど諦められやすいと言われるとおり、狙われにくくなります。鍵の防犯性が低い古い物件でも、補助錠で弱点を補えます。

賃貸では壁や扉に穴を開けられませんが、両面テープで貼るタイプや、ドア枠に差し込むタイプの補助錠なら工事なしで取り付けられ、退去時にも元に戻せます。窓には、サッシのレールに固定する簡単な補助錠が市販されています。数百円から数千円で用意できるものが多く、費用の負担も小さく済みます。玄関と窓の両方に補助錠を足して、鍵の弱さを補い防犯性を高めてみてください。

在宅を装う工夫をする

留守にするときも、人がいるように装う工夫をしておくと狙われにくくなります。侵入をねらう相手は、住人が留守の時間を見計らって入るため、外から見て在宅か留守かが分かりにくい部屋は敬遠されます。昼間に働いていて留守がちな一人暮らしほど、この一手間が効いてきます。

具体的には、タイマー付きのコンセントで夕方に照明を自動で点けたり、テレビやラジオの音を残したりして、生活の気配を外に見せる方法があります。郵便受けにチラシや新聞をためない、洗濯物を長く干しっぱなしにしないといった気配りも、留守を悟らせない工夫です。旅行や帰省で長く家を空けるときはとくに、こうした備えが空き巣への抑止になります。在宅を装う工夫を取り入れて、留守中の防犯にも備えてみてください。

まとめ

一人暮らしの物件は、オートロックや2階以上、管理の行き届いた状態など、防犯性の高い条件を先に押さえて絞り込みます。そのうえで内見では、玄関の鍵の種類、窓の位置と施錠、共用部分の見通しといった、現地でしか分からない部分を自分の目で確かめておきましょう。

物件の外では、駅からの夜道の明るさや人通り、近くに人目のある場所があるかを見て、家までの道のりの安心まで確かめます。入居してからは、補助錠を足したり在宅を装う工夫をしたりして、自分の手で備えを厚くできます。まずは内見のときに、玄関の鍵と共用部分の見通しを確認するところから始めてみてください。

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